移動平均線

移動平均線は、他の指標にも応用される最も基本的でポピュラーなテクニカル分析の代表的な手法です。
単純移動平均、加重移動平均、指数平滑移動平均など幾つかの種類があります。

移動平均線はトレンド系指標の基本

トレンド系の代表とも言えるのがこの移動平均線です。移動平均(英語でMoving Averageと言い、その頭文字をとって移動平均線をMAと呼びます)を使った指数分析には、移動平均線、MA乖離、ボリンジャー・バンド、一目均衡表などがありますが、それらの計算はMAを基本とするものです。MAには幾つかありますが、ここでは最も一般的な単純移動平均をご紹介します。

移動平均線の原理と作り方

単純移動平均線とは、当日を含めた過去の一定期間の終値の平均値をグラフ化したものです。例えばある日の5日移動平均は、【(当日を含む過去5日間の終値の合計)÷5日間】で求められます。次の日付に変われば一番古いレートと当日のレートを入れ替えて計算し直します。そしてチャート上に新たに計算した数値をプロットし、その点と前回の点を線で結びます。このようにして毎日つけていくことで、連続した移動平均線ができあがります。その他の期間の移動平均線も同様にして求められます。

使用するデータ

計算期間は目安として5日、21日、25日、89日、200日などが使われますが、特にルールがあるわけではなく、過去に色々と試した結果この数字に落ち着いたようです。データは一般的に日足、週足などの終値を使用しますが、時間足や分足などでも原理や見方は同じです。短期線と長期線は一般に5日と25日、25日と75日、89日と200日などが使われていますが、特に固定されているわけではなくその他にも色々な組み合わせが考えられます。

MAの特徴と基本的な見方

実勢レートを平均化することで、ギザギザした波動が滑らかになってトレンドが捉えやすくなります。ただし、実勢レートに遅行するため騙しが発生する原因になります。基本的な見方は、実勢レートがMAの上にありMAが上向きで上昇していれば上昇相場、実勢レートがMAの下にありMAが下向きで下降していれば下降相場と見ます。その他実勢レートと移動平均線との乖離の度合いや位置関係、短期線と長期線の組み合わせなどにより、トレンド継続か転換点かのサインを探ります。

ゴールデン・クロスとデット・クロス

これは短期のMAと長期のMAのクロスから売買のタイミングを判断するものです。長期線が横ばいか上昇トレンドの時に、短期線が長期線を下から上に抜く状態がゴールデン・クロス(GC)です。短期線が長期線を上抜くということは、直近になって上昇スピードが増してきたことを意味し、上昇トレンドへの基調転換の確認になります。
反対に、長期線が横ばいか下降トレンドの時に、短期線が長期線を上から下に抜く状態がデット・クロス(DC)で、下降トレンドへの基調転換の確認になります。ただし、このGCとDGは騙しも多く発生します。例えば、上昇トレンド(下降トレンド)が長く続いた後のGC(DC)では、出現した時点で実勢レートが既に下落(上昇)に転じつつある場合も出てきます。そこで、移動平均線の向きにも注意しつつ、ローソク足の形や組み合わせなどからも併せて判断します。

移動平均線はサポートやレジスタンスにもなる

実勢レートが下落基調の時、その下にあるMAに近づいていく時はMAがサポートになりやすく、逆にMAを下抜けすれば下降トレンドへの基調転換となることが多く見られます。
反対に実勢レートが上昇基調の時、その上にあるMAに近づいていく時はMAがレジスタンスになりやすく、逆にMAを上抜けすれば上昇トレンドへ基調転換となることが多いです。また、大きく下落(上昇)して極端にMAから離れた時には乖離度の修正が起こり、自立反発(自立反落)しやすいと見られます。

グランビルの8つの法則

移動平均線は米国のチャーティストであるジョセブ・グランビルが売買のタイミングを判断するためにチャートに応用したもので、最もポピュラーな分析手法とされています。その基本となるのが実勢レートとMAの位置関係から判断する8つの法則です。買いサイン、売りサインともに4つのパターンがあります。
ただし、これも単純に法則に従えぱ必ず成功するというわけではなく、騙しがあります。GCやDCと同じように、総合的に判断することが必要です。

グランビルの法則(買いサイン)

  1. MAが下落局面から横ばいに推移した後、その下に位置した実勢レートがMAを上抜いて上昇に転じた時は買いサイン
  2. 上昇しているMAを、その上に位置した実勢レートが一瞬下に割り込んでから、すぐに押し返されて反発した時は買いサイン
  3. 上昇しているMAに対し、その上に位置した実勢レートがMAに近づいた後、MAにクロスせずに手前で反発した時は買いサイン
  4. 下降中のMAの下に位置する実勢レートが、MAと大きく乖離した時は買いサイン〔短期的に自立反発する可能性が高い)

グランビルの法則(売りサイン)

①MAが上昇局面から横ばいに推移した後、その上に位置した実勢レートがMAを下抜けして下落に転じた場合は売りサイン
②下降しているMAを、その下に位置した実勢レートが一瞬上抜いてから、すぐに押し戻されて反落した時は売りサイン
③下降しているMAに対し、その下に位置した実勢レートがMAに近づいた後、MAにクロスせずに手前で反落した時は売りサイン
④上昇中のMAの上に位置する実勢レートが、MAと大きく乖離した時は売りサイン(短期的に自立反落する可能性が高い)

移動平均線での売買の基本は順張りで

なお、移動平均線を使ってポジションを持つ時の基本は、トレンドに沿った順張りとなります。