ユーロ ドル

ユーロドル(EUR/USD)

ユーロドル(ユーロ/米ドル)は取引シェアの27%を占める最もメジャーな通貨ペアで、実需取引も多く他の通貨ペアに与える影響も強い通貨ペアです。

ユーロ誕生から今日までの歴史

1999年1月にユーロが誕生し、13年目に入りました。ヨーロッパでは単一通貨の構想が1970年頃には既に具体的な考えが示されていました。その背景には実体経済の統合と為替相場の安定化があると言われています。
当初11か国が参加して始まったユーロは、2014年1月にラトビアの参加により18か国が導入することとなり、EUには28か国が加盟しています。将来的にユーロが、世界の基軸通貨(準備通貨)である米ドルに変わる第2の基軸通貨になるとの期待もあります。世界の外貨準備を見ると、1999年当初は米ドル70.9%、ユーロ17.9%であったものが、2013年には第2四半期には米ドル61.9%、ユーロ23.8%とユーロの割合が増えています。2009年には28%に迫る水準まで上昇したものの、ユーロ圏債務危機への懸念から再び低下しました。しかし第2の基軸通貨としての地位は今後も変わることはないでしょう。

ユーロバブルの最高値からリーマンショックによる急落ヘ

ユーロ誕生の時、最初に対ドルレートで値がついたのが1ユーロ1.1789ドルでした。その後は下落が続きその年12月にはドルとの等価である1ユーロ1.0000のパリティーを下回り、翌年2000年10月には史上最安値となる0.8230ドルまで下落しました。安値圏でのもみ合いが1年余り続いた後ユーロは本格的な上昇に転じます。その後2007年の夏頃から表面化したサブプライムローン問題によりFRBが急遽利下げを始めましたが、その一方でECBが利上げを継続したことで2008年7月にユーロは1.6035ドルの史上最高値をつけました。しかし、リーマンショック後の10月にはECBも利下げに踏み切り、ユーロは一気に1.23ドル台まで急落しましたが、半年近く乱高下が続きました。09年に入ると、世界的な景気の底入れを背景に上昇に転じたものの、その年の10月にギリシャの巨額の財政赤字を発端とする金融不安が欧州全体に拡大すると、ユーロは再び下落に向かいました。2010年6月、ユーロは1.18ドルの最安値を更新し再び上昇したものの、ギリシャのユーロ離脱の可能性が高まるなど、再びユーロ不安が拡大するアップダウンの激しい動きが特徴です。

2009年から続くユー口危機

欧州がユーロを導入した背景には2つの理由があったと考えられます。1つは米国のドルに対し、欧州が一体となり対抗する第2の基軸通貨としての役割を担うというものです。もう1つは、2つの世界大戦を経験した欧州が経済的利害を共有することで二度と戦争を起こさないというものでした。
元々経済や文化、言語や歴史そして政治情勢が異なる国々が単一の金融政策や通貨を導入する難しさは当初から言われており、このような域内の格差が生じるのは明らかでした。
しかし、先ほどの2つを前提に考えると、欧州の人々はユーロに対し固い決意を抱いていると考えられます。それだけにユーロという通貨は、簡単に無くなりはしないということをまず頭に入れて考えていきます。

ユーロドルの特徴と主な変動要因

変動要因として、次の3つがあげられます。

  1. 米国の金融や経済動向、そしてNYダウの動き
  2. ECB(欧州中央銀行)の金融政策と要人発言
  3. その他、ユーロ圏の債務問題、英国ポンドや産油国の動向など

米国の動向

ドルインデックスの約6割をユーロが占め、それだけドルとユーロの関係が強いとも言えます。第2の基軸通貨と言われるだけに、ドルの避難通貨としてのユーロといったイメージが強く、ドルが売られる時にはユーロに買いが集中することが多く見られます。その逆もまた然りです。ただ、米国も政府債務上限引上げ問題の混乱などからトリプルAの格付けが引き下げられるなど、基軸通貨としてのドルの信頼が揺らぎ始めています。
ところが、それでもリスク回避の動きが強まる時には安全通貨としてのドル買いが強まる傾向は依然として変わらず、⇒ NYダウ下落 ⇒ ドル上昇 ⇒ ユーロ下落といった構図が一般的に見られます。ギリシャ財政問題発覚後はその動きにも変化が見られましたが、その後は再び相関関係が見られるようになりました。欧州の金融不安は域内だけという観測から、米国に資金が流れ込んだとも考えられます。
一方、米国も財政問題などを抱え、その懸念が高まる度にドルからユーロへと資金が流れる動きも見られます。このように米ドルはユーロにとって、最も大きな変動要因の1つと考えてよいでしょう。

ECBの金融政策と要人発言

米国が07年9月から利下げに踏み切り、その後も金融緩和政策を取っているのを横目にECBは08年の7月まで利上げを継続したことで、ユーロドルは上昇しました。しかし、リーマンショック直後の08年10月8日にECBも含め協調利下げが行われると、ユーロは下落に転じました。その後米国はゼロ金利政策を行うとユーロドルは上昇に転じます。この動きをみても両者の金利から及ぼされる影響がいかに強く働くかがわかります。そのため、両当局者の発言や金融政策に関するニュースには特に反応しやすくなります。

その他、ユーロ圏の政治や経済、ポンドや産油国の動向など

ユーロ圏に大きな影響力を持つ国はドイツとフランスです。そのためドイツやフランスの政治に絡んだ動きも注目されます。特にドイツの経済動向はユーロに大きな影響を与えることから、市場はユー口圏の指標と共にドイツの経済指標を注視する傾向があります。アジア時間では主にユーロ円の動きが中心ですが、欧州時間になるとユーロを中心としたクロス取引が活発になります。特にユーロポンドやユーロスイスなどは貿易やM&Aだけではなく、むしろ投機的な取引が活発になります。その他の欧州通貨や南アランド、中近東などの通貨とも複雑に絡み合いながら取引されています。
しかし、それ以上にユーロドルへ大きな影響を与えるのはユーロ円です。

今後のユーロドル攻略法

ユーロドルは長期トレンドができやすいため、デイトレに加えポジショントレードにも適しています。ユーロの流動性の高さは市場参加者が多いことを示し、同時にこのような通貨は中長期でのテクニカル分析がしやすいとも言えます。まず月足で大きな流れをつかむようにします。
2000年10月につけた最安値0.8230ドルから2008年7月の高値1.6035ドルまでは上昇トレンドが続きました。
その後に欧州債務問題が浮上し、ユーロにとって常に下落リスクに晒される状況となりました。債務問題が浮上してから、ユーロは問題が深刻化し始めると半年から1年といった長期にわたり下落する傾向が見られます。
一方、欧州債務問題がひと段落する頃に限って、今度は米国の景気刺激策としての量的緩和の実施や財政の崖といった財政問題がドル売りを促し、下落したユーロが今度は長期間の上昇トレンドに入るという繰り返しが見られました。
このようにユーロドルは、上昇でも下降でもどちらにしてもトレンドを狙ったポジションを立てやすい通貨でもあります。
ユーロドルは2008年9月のリーマンショックでその直前の高値1.6ドルから約350ポイント下の1.25ドルまで下落し、そこから1年余りで1.5ドル付近まで戻しました。この戻り幅は下落に対しフィボナッチの76.4%戻しのレベルにあたります。その後ギリシャ危機が起きたことで再び1.2ドル付近まで下落しました。このレベルは2005年の安値から上昇に転じる時のレベルでした。その後再び1.5ドル付近まで戻す往って来いとなったところで、ダブルトップを形成し再度下落に転じます。この2つのトップを形成する期間は、それぞれほぼ2年経過しています。

ユーロドルの活発な取引時間

ユーロドルの特に取引が活発な時間帯は、日本時間で東京市場と欧州市場の重なる16時あたりからと、NY市場の始まる21時あたりからです。さらにロンドン市場の引け間際の深夜の2時頃もよく動くことがあります。

ユーロドルのポイント

  • ユーロとドルは互いに相手の受け皿通貨として、シーソーのような関係にある。
  • ユー口とドルは金利の影響を強く受ける。
  • ユー口とドルの双方のバランス状態が崩れる時には、長期トレンドができやすい。バランスが崩れるサインが出るまでは大きなレンジ内での動きが続きやすい。
  • 下落や上昇の後の反発は、ほぼ100%戻す傾向が短期的にも長期的にも見られる。