外国為替

スキャルピングはわずか数秒~数十秒の間に売買を完結させるのが基本ですが、状況によっては数分から数時間の間ポジションを持つこともあります。

超短期で売買するスキャルピング

スキャルピングは取引スタイルの中で最も短時間、もしくは小さな鞘を狙って売買を繰り返す取引スタイルです。このスタイルの特徴は、とにかく細かく取引を行うためファンダメンタルズとかテクニカル分析を駆使するというよりも、フットワークや反射神経に重点を置きます。その意味では独特なリズム感や勘が必要かもしれません。
瞬間的に上下どちらに動くのかを瞬時に見て、もし間違ったと思えばすばやく損切りを行い、逆に相場が思った方向に向かった時には比較的長くポジションをキープするなどの判断を瞬時に行います。例えば損切りが5ポイント位とすれば、利食いの幅は10から20ポイントといったように、利食いの幅は損切りの幅よりも倍以上多く取るようにすることが基本です。
スキャルピングは短時間に集中的に行います。取引通貨ペアはできるだけ上下の値幅が大きなものを選び、時間帯も重要指標の発表時など値動きが大きくなりそうな時を狙うことが効果的です。
レンジ相場でも値幅の大きな通貨ペアであれば細かく売買(ジョビング)を繰り返すことで手堅く稼ぎながら、レンジを抜け出した時に大きく取りにいきます。スキャルピングではかなり瞬発力を要し短期決戦になりますが、いずれにしても損切りは早く利食いは大きくというのは基本です。

スキャルピングのメリットとデメリット

スキャルピングの一番のメリットは、超短期で売買するために為替リスクに晒される時間が短く、予期せぬ大きな為替変動によって損失を被るリスクが小さいことです。時間の取れない人でも効率よく行え、精神的にも消耗度は少なくて済みます。デメリットとしては、短時間の勝負のため利食いのポイントが近いということや、売買の回数が多くなるためコストがかかり、1回の利益幅が少ないということです。

レンジを抜けるタイミングはチャンス

スキャルピングでも、レンジ相場から抜けた時は抜けた方向に大きく放れるため重要指標などが発表される時と同様、大きく値幅を狙えるチャンスです。ただ、抜けたと思ってもレンジ内に戻る騙しも多く、その判断が難しいところです。それを判断するには過去のレンジ相場のパターンをチェックすることです。通貨毎に時間や値幅のパターンには何らかの癖や一定のリズムを伴うことがあり、5分足でも時間足、日足などでもそれぞれに見られます。レンジの抜けるタイミングを狙うには、レンジの上限下限のバンドをできるだけ外側の天井/底を結び合わせて幅を広くするようにラインを引きます。レンジ相場でのジョビングでは内側に幅を狭めてラインを引くようにします。

三角保ち合いの放れる時を狙う

チャートを見るともみ合いながら上下の値幅が徐々に小さく収束していく動きがよく見られます。それを三角保ち合いと言い、収束した直後にどちらかに大きく放れる時を狙います。スキャルピングで放れる瞬間を狙うには5分足や1分足などから保ち合いが収束してきた時を狙って逆張り志向で待ち構えます。三角保ち合いはトレンドの途中でよく見られ、確率的にはトレンドに沿った方向に放れる特徴があります、

損切りを確実に行ってコツコツと利鞘を稼ぐ

レンジ相場でもトレンド相場でも突然大きく動きだす時があります。スキャルピングの面白さはこの点にあるとも言えますが、基本は損失をいかに速やかに抑えるか、にあります。スキャルピングはパソコンの前に張り付き、レートを見ながら成行注文(ストリーミング注文)を繰り返すことになりますが、場合によってはスリッページなどで提示されたレートで約定できないなど、損切りのタイミングが遅れてしまうリスクもあります。
そのような時でも慌てずに損切りをします。決していつか戻るだろうという期待はしないことです。反対に、自分に有利な方向に跳ねた時には大きな利益を得ることもあります。どちらにしても確率が五分五分であれば、いかに損切りを早く行うかが勝敗の分かれ道になります。
スキャルピングは1回の取引で損失が大きくなれば、それまで積み上げた利益が一気に吹き飛び、資金のロスだけではなく精神的にも大きな打撃を受けます。コツコツと利益を確実に積み上げることがポイントです。

スキャルピング向きの通貨ペア

コストが低く値動きが活発な通貨ペアを選ぶ

スキャルピングでは、スプレッドや手数料のようなコストをできるだけ抑える必要があります。値動きが激しい通貨は一般的に流動性が低く、スプレッドが広がりやすい傾向があります。スプレッドが広いとコストを気にしてロスカットのタイミングが遅れることもあるので、できる限り値動きが大きく、かつ比較的スプレッドが狭い通貨でなければなりません。

【スキャルピング向きの通貨ペア】
ポンドドル、ポンドユーロ、ドル円、ユーロ円、ポンド円

中でもポンド円は流動性が高く、スプレッドは比較的狭いため理想的です。ポンド円の1日の値幅は広く、しかも上下に良く動きます。1日の間に数時間程度で200ポイント以上動くことも珍しくありません。
また、ユーロは比較的新しい通貨ですが世界で最も流通しており流動性が高く、値動きから見るとポンドには劣りますが、安定度は高いと言えます。豪ドル円もこの数年で流動性が高まり、投資通貨としてだけではなくスキャルピングにも適した通貨ペアとして注目され始めています。
さて、ここで忘れてはいけないのがドル円です。ドル円は情報量が多く流動性も高いことから値動きが安定しています。ポンドなどに比べるとかなり穏やかですが、時間帯などを選んで行えばスキャルピングでも十分取引可能です。いきなりポンド円から始めるよりも、まずドル円で慣れるというのも良いかもしれません。

スキャルピングに向いた時間帯

取引時間帯も重要な要素です。東京市場では円の流動性が高いため値が大きく飛ぶということも少なく、比較的安心して取引ができます。その反面、全般的に値動きは少なくドル円では1日に1円動くか動かないかなど落ち着いた動きが多く見られます。スキャルピングは動かなければ勝負になりません。通貨やマーケット状況にもよりますが、例えば東京市場から欧州市場に移る時間帯(日本時間の16時前後)、またニューヨーク市場が始まる頃の日本時間21時前後から24時頃までは比較的動きやすい時間帯です。
冬時間であれば米国の重要な経済指標が発表される22時30分(夏時間21時30分)前後を狙うこともあります。どちらか一方に動きやすいためギャンブル性が高くなりますが、それだけ反射神経が必要になります。
後はニューヨークの終わりからウェリントン市場にかけて、NZドルなどが指標で動くことがあります。また、東京の午前10時に銀行の仲値を決めるために、その前後も比較的値動きが活発になる時間です。

スキャルピングの基本手順

スキャルピングの基本は5分足や1分足チャートを見て、売られ過ぎや買われ過ぎを探ります。取引を始めたら基本的にチャートを見ている時間はありません。一担取引を中断した時に再びチャートを見るようにします。

スキャルピングは逆張りで攻める

スキャルピングでは逆張りで攻めるのが主流です。後から追いかけるのではなく、予め天井(買われ過ぎ)や底(売られ過ぎ)に着く前に先回りをしてポジションを仕込みます。そして、売られ過ぎ買われ過ぎの反発する動きを待ちます。思惑と反対に動いて天井や底を抜けたところでは、損切りを行います。一度ポジションを作れば、直接為替レートの表示を見ながら、感覚的には波乗りのようにトレードを繰り返します。
スキャルピングの成功するポイントは、ポジションを持つ入り口の段階にあります。取引に入る前には5分足チャートなどでその日の流れやトレンドを確認した後に、1分足を見ていきます。そうすることで直近の「レベル感」を持つようにします。レベル感というのは今の状態が高いか安いか、買われ過ぎか売られ過ぎかといった客観的なイメージを持つということです。スキャルピングのような反射神経でやるような取引においても常に相場観を持つことは大切です。

相場の入り方

相場の入り方として、例えば実勢レートが、現在1分足チャート上のレンジの底値圏にあることで買いサイドが有利と考えます。ところが5分足チャートで下降過程にある時には、さらに下落する可能性が高く買いから入ると騙される確率が高くなります。反対に5分足が上昇過程にある時には1分足から見た底値圏は比較的固くなる傾向があり、買いから入る方が安心感があります。また、利食いの幅(上昇幅)も天井圏で売る下落幅よりも長くなりやすく、利益率が高まります。反対に5分足が下降トレンドの時は天井圏のレジスタンスは固く、売りポジションの時間を長めに持つようにします。

利食いと損切りのレベルを決めておく

取引に入る時点で、あらかじめ損切りと利食いのレベル(あるいは値幅)を想定しておきます。利食いレベルの決め方としては、それまでの日中の上下の振幅から想定します。その足のレンジ幅はチャートの時間の取り方により異なりますが、それぞれのチャートでの値幅を頭に入れておくことが最終的に相場観につながります。例えば、5分程度ポジションを持ち続けるスタイルの人なら5分足チャートを、1分間程度で売買を繰り返すのであれば1分足チャートを参考に値幅のイメージを持って取引を行います。利食いのレベルはできるだけレンジの内側で早めに売買を繰り返すようにします。一旦相場に入れば、そこからは波乗りのようにリズミカルに行います。トレンドのできている時にはトレンドに沿った方向から入った方が有利です。下降トレンドの時は売りから入るとリズムに乗りやすくなります。

ポジションは比較的大き目にする

10ポイントといった小さな利鞘を細かく取っていくため、ポジションのサイズはある程度大きめの方が効率的です。ただし無理をする必要はないので、取り敢えず慣れるまでは1万通貨単位で始めることです。

休むも相場、取引は臨機応変に

取引を続けていくとどこかでそのリズムが狂いだすことがあります。その時は一旦取引を中断して、再度チャートを長いものから短いものへと一通り見直してみましょう。もし、そこでイメージが湧かなければ湧くまで待つことです。無理に取引を続ける必要は全くありません。

スキャルピングのポイント

  • 損切りの幅は利食いの幅よりも小さく半分以下に。間違ったと思ったら
    迷わず損切りする。
  • 5分足チャートが下降トレンドにある時は1分足チャートのレンジの上限での売りが有利。反対に5分足チャートが上昇トレンドの時に、1分足チャートのレンジの下限での買いが有利。
  • レンジの幅を想定して利食いと損切りのタイミングを計る。
  • 迷った時は休む。