FX

為替の世界にはあまり知られていない事柄の中にも大事なポイントが色々とあります。

FX取引で知っておきたいその他のポイント

ポジションの両建ては意味がない

両建てとは、同じ通貨ペアで売りと買いの両方のポジションを同時に持つことです。為替取引では元々両建てという概念はありませんでしたが、FXでは両建てができる業者が多く見られます。外為取引では売りと買いが相殺されて損益が発生することになります。それをあえてポジションとして残すには2つ理由が考えられます。1つは損切り、あるいは利食いをその時点で出したくないということです。
例えば110円でドル円1万ドルの買いポジションを持ち、105円まで落ちた時にヘッジとして1万ドルの売りポジションを持つというのが両建てです。本来はそこで損切りをすれば5万円の損失が確定することになりますが、それをせずに両建てをしてポジションをスクエアーにすれば、それ以降下落した分の含み損は105円で売った含み益と相殺され、実質それ以上の含み損は発生しないことになります。つまりヘッジ後は上昇しても下落しても5万円以上の損失が発生しないというわけです。
しかしこれは手数料やスプレッドのコストが余分にかかってしまうため、不利な取引になります。また、スワップポイントも受け取り分よりも支払い分の方が上回ることになり、長期間保有するほど不利になります。このため両建てはあまりお勧めできません。

外貨同士の通貨ペアを活用すればチャンスが広がる

日本人にとって取引通貨ペアはどうしても円を対価に外貨を取引することが多いようです。ドル円はもちろんユーロ円、豪ドル円など全てクロス円だけで取引している人が多く見られます。それは外貨の売買損益が円で換算しないと不安だというのも理由の1つのようです。
ただ、ポンドドルやユーロドルといった外貨同士のペアを乗りこなすことは、デイトレーダーにとっては儲けのチャンスを増やす上で欠かせません。相場においては円主導で動く時はむしろ少なく、ほとんどドル主体で動くと言って良いでしょう。その次に多いのがユーロで、ユーロポンドやユーロスイスが相場をリードする時もあります。また、豪ドル/NZドルや豪ドル/スイスといった外貨のクロスでトレンドができた時などはそれに沿ってポジションを取りに行くなど、クロス円以外で儲けるチャンスは市場に多くあります。それを見逃さないためにも日頃から円だけではなく外貨のクロス取引にも目を向けるようにしておくことです。
外貨同士のクロス取引にはまずチャートをじっくり眺め、そして自分の得意なテクニカル分析を行います。外貨同士の方が中途半端な相場観がない分むしろ素直に見ることができて利益を上げやすいと言う人もいます。

クロス取引で注意すること

インターバンク市場での取引では、基軸通貨の米ドルを主体に各国通貨と取引が行われます。それは貿易や金融取引などの多くがドル決済で取引されるためです。しかし、当然米国を除いた国々でも直接取引が行われることから、米ドルを介さない取引も市場では頻繁に行われています。それらの通貨ペアをクロスレートと言います。クロス通貨には掛け算通貨と割り算通貨というものがあります。

掛け算通貨

掛け算通貨とは、豪ドルやポンドドルなど米ドルの名前が相手国の通貨の名前の後に来る通貨ペアを指します。例えば豪ドル円のレートを出すには、豪ドルドルレートとドル円レートを掛け合わせて計算します。豪ドルドルが0.9ドル、ドル円が100円とすれば、豪ドル円のレートは0.9×100=90円となります。豪ドル円を買おうとすれば、豪ドルとドル円の両方を買うということになります。

割り算通貨

割り算通貨とは、ドル円やドルスイスなど米ドルの名前が相手国の通貨の名前の前に来る通貨ペアを言います。例えばスイス円のレートを出すには、ドル円レートをドルスイスのレートで割ることで計算します。ドルスイスのレートが1.1スイスフラン、ドル円のレートが88円とすれば、スイス円のレートは88÷1.1=80円となります。スイス円を買おうとすれば、ドル円を買ってドルスイスを売るということになります。
これらの仕組みをしっかり理解しておけば、どの通貨が相場を主導しているか通貨の相関を見極めるのに役立ちます。
なお、これら掛け算通貨か、あるいは割り算通貨になるかは市場の慣習により、決まった定義というものはありません。