FXのリスク

為替変動リスクと金利変動リスク

為替変動リスク

為替レートは24時間常に動き続けており、思惑と反対に動けば損失となります。株でも債券でもそうですが、ポジションを持った瞬間に為替変動リスクに晒されることになります。特にリーマンショック後はボラティリティが高まったことから、ドル円やユーロ円でも数時間で3~4円動いたりするのは珍しくなくなりました。
例えばドル円で10万ドルのポジションがあれば、1円動けば10万円、100万ドルのポジションを持てば1円動いただけで、100万円の損益が発生します。ポジションの大きさによって利益も大きい分だけ、損失も大きくなることに注意しなければなりません。

金利変動リスク

金利も為替レートと同様に常に24時間動いています。ただ、その変動幅は為替レートに比べると平時では比較にならないくらい小さなものです。しかし、変化が始まれば一方向にトレンドが続くのも金利市場の特徴です。変化する要因のほとんどはその国の金融政策によって決まりますので、金利がどちらにどのくらい変動するのかの予想は為替相場よりも比較的わかりやすいものです。
この金利変動リスクはFXのスワップポイントに直接関わってきます。例えば、もしあなたが2007年7月にドル円を10万ドル買ったとすれば、当時のスワップポイントは1日に1600円も受け取ることができました。しかし、リーマンショック後は各国が政策金利を大幅に下げ、日本との金利差が大幅に縮小したため、例えば2013年11月ll日の時点では同じく10万ドルで1日のスワップポイントが何と10円程度にまで下がっています。特にリーマンショック直後は短期金利が大きく変動したために、金利差が逆転する場面(金利の支払い)も見られました。
一般的に利下げはその通貨が売られる要因になります。急激な金利の変動には注意する必要があります。

FXの持つその他のリスク

レバレッジリスク

FXを始める多くの方々が、「FXは少ない資金で大きな取引ができてしまう危険な取引」と考えているようです。確かにFXは少ない資金でその何倍、何十倍の取引を行えますが、レバレッジ自体がリスクとは言えません。どんな巨額の取引でもできるわけではなく、取引会社によってレバレッジ倍率の上限が決まっています(日本の場合、金融庁の規制により、レバレッジ倍率の上限は2011年8月以降25倍となっています)。
例えば、レバレッジ25倍の場合で20万円の証拠金があれば、1ドル=100円の時に、500万円即ち5万ドル相当の取引が可能になります。確かにそれは大きなメリットではありますが、前述したようにポジションが大きくなれば、それだけ市場リスクがそれに伴って大きくなるということも頭に入れておかなければいけません。
例えば、レバレッジ25倍の取引をするとします。10万円あれば、その25倍の2万5千ドル(250万円相当分)の取引ができます。しかし、もし2万5千ドルを買った後に思惑と反対に動き始めた時、4円反対に動くと、損失が2万5千ドル×4円=10万円となり、すぐに証拠金がなくなって強制的にロスカットされてしまいます。ところが、10倍の取引では10円反対に動かない限り、ロスカットされることはないのです(1万ドル×10円=10万円)。
実際には各社でロスカットに至る証拠金維持率が決まっており、その証拠金維持率を下回ると強制ロスカットとなります。したがって、レバレッジが大きくなればそれだけポジションも大きくできますが、その分少しの値動きでロスカットレベルに近づくということです。しかし結局のところ、レバレッジがどんなに変わったとしても、取引金額の大小(ポジションの大小)の違いはありますが、どちらも10万円の証拠金で取引するのですから最大の損失額は一緒で、原則として手持ちの証拠金以上の損失はないということです。ただ、急激な相場の変動によっては、証拠金を上回る損失が生ずることもあります。FX業者の強制ロスカットのシステムの有無は、必ずチェックして下さい。
レバレッジが大きいということは、車に例えると排気量の大きな車と小さな車の違いのようなものかも知れません。別に最大限使う必要はないのです。レバレッジはいざという時のためにあるという考え方でいたほうが良いでしょう。

信用リスク(取引会社リスク)

これはFX業者が破綻した結果、証拠金が返還されないなどのリスクです。取引会社を選ぶ際の大切なチェックポイントは、その会社の信用力はもちろんですが、どんなに大きな会社でも破綻するリスクがないわけではありません。自分の預けたお金とFX業者の資金を分別保管しているので安全だ、と思っていてもそれだけでは不十分です。証拠金の100%信託保全をしている業者を選ぶことを推奨します。

流動性リスク

流動性とは、売り買いをする時の取引量のことです。通貨によってこの取引量は異なり、流動性の高いメジャーなユーロドルやドル円と比較して、カナダ円やNZドル円などになると取引量は少なくなり、南アランドや香港ドルなどのマイナーな通貨ほどさらに少なくなります。
流動性が低いと、売り買いのスプレッドが広くなったり、いざというときにレートが出なかったりするために、決済したい時や新たにポジションを持ちたい時でもできなくなることがあります。そういったリスクを流動性リスクと言います。
為替取引の出来高はトータルで1日約4兆ドルと言われるほど流動性が高いために、レートが出ないということは滅多にないですが、戦争、紛争、天災、2008年の世界金融危機、2011年の欧州債務問題など、何が起こるかわからないのがこの世界です。ポジションを持つ時にはこのようなことも頭に入れておいたほうが良いでしょう。

システムリスク

ネット取引ではシステム障害が起こることがあり、いざという時に取引できなくなることもあります。これは取引会社側のシステム障害もありますが、ご自分のパソコンや通信回線の故障なども考えておくべきです。
そのリスクを回避するためには、携帯電話での取引も可能にしておくこと、複数の会社とできれば回線の違うパソコンで取引することなども、大切な手段の1つと言えるでしょう。

カントリーリスク・イベントリスク

経済悪化や紛争、戦争、政情不安、政変など、その通貨国の持つ国情からくる信用リスクをカントリーリスクと言います。また、イベントリスクというのは、地震、ハリケーン、干ばつなどの大規模な自然災害、最近では新型インフルエンザの流行やコロナなど、予測できない事態(イベント)の発生により為替が大きく変動するリスクのことです。これらのことがもし起こった時の対処法についても、あらかじめ計画しておくべきです。